ごあいさつ
部門長あいさつ
バイオデザイン部門長
中川敦寛
東北大学病院 教授
Professor
東北大学病院臨床研究推進センター・バイオデザイン部門を代表し、ご挨拶申し上げます。
当部門は2013年に冨永悌二前部門長の下、時代に即した新しい医療サービスの開発促進を目的に開設されました。Welcome to Bed Side & Brain Stormingを基本とし、医療やヘルスケアの現場で起きていることを様々な視点、視野、視座から理解し、フラットな環境での自由闊達なブレインストーミングの場を構築しました。これにより、これからの医療・ヘルスケアを変えていく新しい発想が生まれてくることを目指しています。
東北大学病院ベッドサイドソリューションプログラム(アカデミック・サイエンス・ユニット【Academic Science Unit:ASU】)では、2014年3月のプログラム開始以来、企業の開発研究者を中心に、医療・ヘルスケア領域でイノベーションを起こすために取り組まれている方々に門戸を開いています。
従来は、“こういったもの”をより高性能、高品質、低コストで作りさえすれば喜んでもらえる、そのために技術やスペックを研ぎ澄ませるという形での“モノづくり”でした。現在は、ものや情報があふれる中、多様化した価値観、個人や個人がおかれた状況によって異なるニーズに対してタイムリーに応える形の“ことづくり”の時代です。自分たちがもっているシーズをどのように展開するかという発想だけではなく、自分たちが製品やサービスを届ける人、場所、状況でどういったニーズがあるかをとらえることが重要とされています。その一方で、形になった製品、サービスを手にしたときに、「こんなものが欲しかった!」と言ってもらえるような価値を創ることは簡単なことではありません。
私たちは、そうした“ことづくり”の企画力に長けた人材が、僥倖が重なって出てくることに頼るべきではないと考えます。もっと便利で費用対効果の高いものを届けたいと願うすべての方が、医療・ヘルスケアの現場でおきていることをしっかりと観察し、問題の本質を捉え、自分たちが解決すべき課題を設定する場が必要と考えました。その場として、2014年3月にASUをわが国で初めての包括的なベッドサイド観察プログラムとして開始しました。
スタートしてからの5年間で43社、1,150名以上の開発研究に携わる方々を契約ベースでベッドサイドに受け入れてきました。この開発研究者を病院全体でサポートし、多くの医療従事者がコミットしました。参加企業と医療従事者とのニーズ探索が共同研究に発展した事例やいくつかの事業化も進んでいます。私たちは医療・ヘルスケアの現場観察から事業化という形で多くの人たちに製品、サービスを届けてより健康で幸せになってもらうまでのプロセス全体をデザインするプロセスデザインに重点を置いた取り組みを推進しています。
私は、冨永悌二前部門長から2019年4月に部門長を引き継ぐにあたり、改めてここまでの5年間の経験を活かし、“ことづくり”に関わる全ての方と一緒にこのプロセスデザインに果敢にチャレンジしていきたいと考えています。2018年からはラピッドプロトタイピングのために「デジタルヘルス テストラボ」を稼働し、見て、感じて、機能を理解してもらえるプロトタイピングを現場観察の段階から取り入れました。さらに2019年3月からはデジタルヘルスへの対応の要請の高まりを受け、拡張現実(augmented reality:AR)を導入し、ウェアラブルデバイス、ソリューションを医療・ヘルスケアの現場に近い環境でテストするデジタルヘルステストサイトの試験的稼働を始めました。
現代は、これまでないほどに技術の陳腐化、興味関心の流行廃りのスピードが速くなっています。手にすることができるデータの量も指数関数的に増えた一方で、解決しようとする課題はますます複雑さ、不確実さ、あいまいさを増しています。ASUでは、事業化に資するニーズに出会い、そのニーズを自分たちの強み、弱み、チャンス、リスクを踏まえた適切なレベルの課題に設定し、限られた条件の中でゴールを見据えたプロセス全体のデザインをします。これにより、新しい時代のスピード感で、新しいモノづくりのスタイルをみなさんと一緒に創っていきます。そのためには人のつながりも大切です。当プログラムにご参加いただく事で、新しいつながりを確立し、みなさんの事業に役立てるよう、様々な領域で世界を舞台に活躍されるフロントランナーをお招きしての講演会を定期的に開催しています。
自分たちのcomfort zoneから飛び出して、様々な分野、領域を越境しながら、新しい領域を切り開いていきましょう。そういった際にはあわせて説明会も行いますので、お気軽にご連絡ください!
東北大学医学部卒業 東北大学脳神経外科入局
東北大学大学院(東北大学流体科学研究所高山和喜研究室)
東北大学大学院卒業(医学博士)
日本脳神経外科学会専門医
東北大学病院 脳神経外科/高度救命救急センター(助教)
カリフォルニア大学サンフランシスコ校神経外科 / 脳脊髄外傷センター(神経外傷クリニカルフェロー)
東北大学病院 脳神経外科/高度救命救急センター(助教)
東北大学病院 臨床研究推進センター バイオデザイン部門(副部門長)
スタンフォード大学バイオデザインプログラム グローバルファカルティ
内閣府革新的研究推進プログラム(ImPACT)合田プログラム医療健康実証リーダー
東北大学 大学院医学系研究科神経病態制御学分野(講師)
東北大学病院 臨床研究推進センター(特任准教授)
東北大学病院 臨床研究推進センター(特任教授・兼任)
東北大学病院 臨床研究推進センター バイオデザイン部門(部門長・現職)
東北大学病院 企業アライアンス/テクノロジー(病院長特別補佐 )
東北大学 大学院医学系研究科附属創成応用医学研究センター AI医学基盤部門デジタルメディシナルプログラム(副コアセンター長)
東北大学病院 エクスペリエンスデザイン&アライアンスオフィス(EDAS-TUH)(デザインヘッド)
東北大学病院(教授)
東北大学副理事(国際共創担当)(併任)
日本レーザー医学会総会賞
UCSF Postdoctoral Travel Award
Top Ten Abstract, Neurotrauma 米国脳神経外科コングレス
日本生体医工学学会荻野賞
日本脳神経外傷学会牧野賞
日本脳神経外科救急学会学術奨励賞
日本学術振興会科学研究費優秀審査員賞
日本学術振興会科学研究費優秀審査員賞、ほか