富士通株式会社 古濱 淑子先生「パーパス経営とその実践、社会課題解決を実現するUvance」を開催しました

7月31日(水)18:00-19:00、今年度第3回目の未来型医療創造卓越大学院プログラムFM DTS 融合セミナー(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門・医工連携イノベーション推進事業)富士通株式会社 執行役 EVP Japanリージョン 副リージョン長 古濱淑子先生の講演会をオンラインにて開催致しました。

 

今回の講演では、富士通株式会社の変革の根幹であるパーパス経営の理念と、それを実現するための事業モデルであるFUJITSU Uvanceの取り組みを具体的な事例を交えながら紹介いただきました。

 

講演の前半では富士通のパーパス経営とUvanceの取り組みについてお話いただきました。

「パーパス」とは、自分自身が何を行うかの意思や覚悟を言葉にしたものと定義しており、目指すべき方向性、つまり原則変わらない存在価値です。富士通では、このパーパスを起点とする経営の舵取りを行っています。また、パーパスを実現するための事業モデルがUvance(Universe + Advanceの造語)であり、5つのテクノロジーを基盤として、サステナブルな世界の実現を目指し、社会課題にフォーカスしたエコシステムを推進なさっているとご説明いただきました。その後、社会課題への取り組みとして、2040年問題に向けたヘルスケア領域を中心に、本学での医療基盤構築などの共創事例を複数お示しくださいました。

中盤では、富士通でのパーパスの事業への落とし込みについて、ご説明いただきました。

 

企業と個人のパーパスを同期させることで、事業モデルと日々の活動をマッチングさせ、社会課題を解決していくことができます。この、同期の仕掛けを「Purpose Curving」といい、Top Firstのもと、個人のパーパスを掘り出すようにデザインされた富士通のプログラムです。パーパスを自分ごと化すること、お互い語り合って他者とのパーパスとの違いを合成することで変革の原動力にすることが重要だと述べられました。

 

後半では、古濱先生ご自身のパーパスとこれからの展望についてお話なさいました。未来に向けて取り組むためには、企業のみならず、市民、学生、NPO等を巻き込んだ「協力スキーム」が不可欠です。このスキーム確立のための、3つのポイント(社会課題軸で捉える、共通のゴール設定、社会性と経済性)を示されました。個人のパーパスを定義した後、それをベースに行動変容を作っていこう、というのが、次のステップ「Decision Crafting」です。また、最近ではAIを用いて自分のパーパスを深堀する取り組みも行っているとのことです。「次はあなたの番です!」社会課題の解決は1組織では不可能なためCo-Creationに、デザインの力で一人一人の思いを社会課題の原動力にするDesign approachをみんなで協力してやっていきましょう、と締めくくられました。

 

本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外455名の方々にご参加いただきました。

 

古濱先生、ご講演いただきありがとうございました。

文責:歯学研究科 博士課程3年 小出理絵