【帰朝報告:中川】スウェーデン・ストックホルム及びフィンランド・オウル(2024年6月12日~21日)
2024年6月12日~21日までスウェーデン・ストックホルムおよびフィンランド・オウルに行ってまいりました。
今回は本学の未来型医療創造卓越大学院プログラム特任教授(客員)の廣部希世先生と一緒に北欧の産学連携、イノベーションを見てまいりました。
ストックホルムでは、2011年にボストンで東日本大震災のイベントクロノロジー解析を日本人研究者コミュニティでプレゼンテーションした際にお世話になった在ストックホルム日本国大使館の森 祐介さんに久しぶりにお目にかかりました(写真1)。
王立スウェーデン工科大学では牧淳人教授に(写真2)、カロリンスカインスティテュート(写真3)では本学出身で現在金子教授の下で熱帯感染症を研究されている高勇羅先生とお目にかかりすばらしい施設をご案内いただくとともに、取り組みについて伺い、意見交換をさせていただきました(写真4)。
翌日は終日、多国籍企業のNordics、カロリンスカ病院(写真5)の産学連携部門と意見交換をさせていただきました。
ノーベル賞博物館で歴代受賞者の寄贈品の見学、博物館のカフェ(写真6)でのノーベル賞アイスはたいへん印象に残りました。
オウルでは、北欧麻酔学会SSAI 2024(写真7)のTechnology sessionで招待講演としてプレゼンテーションの機会をPohjois-Pohjanmaan hyvinvointialue Pohde、Development Manager, Head of Testing and InnovationsのTimo Alalääkkölä先生にいただきました。”Tommorrow is Now”というタイトルの通り、新しいテクノロジーを用いてどのように山積する課題を解決しながら、持続可能な質の高い医療を提供していくか、について活発な発表、討論がされていました。最終日はオウル大学病院長、Timo、ビジネスオウルの内田さんのご高配で現地でご一緒した当院麻酔科の鎌田先生とともに11月3日にオープン予定の新病院を見学させていただきました(写真8)。文字通り、human centricはこのことか、というデザインが随所にあり、感銘をうけました。また、OYS Oulu Health LabでInnovation Coordinator, Testing and Innovation function in North Ostrobothnia wellbeing services county, PohdeのAntti Ukuraさんなどとスタートアップや双方の最近の進捗についても意見交換しました。お互いによいところを取り入れながらやれる、良い関係に慣れている気がしており、今後のコクリエーションも楽しみです。夕方には病院長のMiia Turpeinenさん、Timo、ビジネスオウルのMinna Komuさん、内田さんと一緒に同院のデザインをリードされた Teemu Kemiläさんのご自宅で食事をご一緒させていただき、タールをもちいたサウナを雑談をしながら楽しんだ後、冷たいオウル川にとびこんできたのはおそらく今回のハイライトであったと思われます(写真9)。
これまでオウルは冬季の訪問であったのですが、今回は一年でいちばん開放的で、活気のある夏至の直前で、白夜(写真10)とこれまでと異なる雰囲気を満喫してまいりました。
現在、東北大学病院は世界でもっとも5G / 6Gの応用が進んでいる医療機関であるオウル大学病院とMoUを締結しておりますし、北欧の人員が極めて少ないところでオペレーションがされているさまは、私たちの働き方改革などの面で大いに学ぶべきところが多いと感じております。ASUをはじめ、東北大学病院ベッドサイドソリューションプログラムで連携されている企業のみなさまには共創(コクリエーション)を通じてこうした知見、ネットワーク、合理的かつ創造的に新しいものを生み出していく取り組みをご一緒させていただければと考えております。何かあればいつでもコンタクトください。
6月21日
東北大学病院 臨床研究推進センターバイオデザイン部門長
東北大学副理事(国際共創担当)
東北大学病院教授(産学連携室:Experience Design and Alliance Section EDAS)デザインヘッド)
中川敦寛