令和5年度 AMED次世代医療機器連携拠点整備等事業シンポジウムを開催しました

2023年9月29日にステーションコンファレンス東京にて、令和5年度 AMED次世代医療機器連携拠点整備等事業シンポジウム「医療現場の生産性向上が求められている今こそ、新たなビジネスチャンス:ソリューション開発に必要なスキル、ピットフォール」を東北大学病院及び東北大学病院臨床研究推進センター主催で開催しました。

厚労省の取り組みとして進められている医師や医療従事者の働き方改革では、「年960時間以内」を原則とする時間外労働の上限規制を医師に適用する2024年に向け、業務の効率化が急務とされています。医師から他職種に業務を移管する「タスクシフト」の推進策などが検討されているほか、ICTやロボットによる業務の効率化も重点課題です。また、医療現場に求められる生産性向上とは、医療の質や安全性を維持しながら、医療サービスの提供効率やコスト効果を高めることであり、この目的は医療費の抑制や医療従事者の働き方改革、患者満足度の向上などにあります。更に、2040年、その先に向け、人材不足が進んでいる社会情勢の中で、医療現場におけるリスキリングも急速な医療技術や環境の変化に対応し、より高度なケアや効率的な業務遂行を行うために必要とされます。このような状況にあって、従来の医療機器事業を推進する企業に加え、ICT企業などの異業種から新たに参入し、医療・ヘルスケア分野で事業を拡大するチャンスも増えています。

本シンポジウムはこのような背景のもと、実績のある医療機器事業者に加え、医療・ヘルスケア分野に新たに参入する企業、また新規事業を試みるスタートアップ企業の方々に向け、医療現場にとって真に有効なソリューションを開発するために、医療現場のニーズからどのようにイノベーションに繋げていくかのヒントを得ていただけるよう、全体デザインの視点も加えながら必要なスキルとピットフォールの回避について、以下の講演とパネルディスカッションを行ったものです。

【プログラム】 

開会挨拶 池田浩治先生(東北大学病院臨床研究推進センター 開発推進部門)

講演1 「デザインアプローチを活用した途上国のニーズにあった製品開発」

講師: 鷹取 文彦 様  

(日本光電工業株式会社 技術開発本部 生体モニタ技術開発部 呼吸・麻酔機器部 次長)

講演2「ワークフローを通じたソリューション開発を実現するためにはワークフローの可視化が必要、可視化の実際とコツ」

講師:  Cameron, Andrew様

講演3「co-creationを通じたワークフローの改善実例」

講師: 大田 英揮 様 (東北大学病院 メディカルITセンター 教授)

パネルディスカッション  「新規企業が参入するための課題とコツ」

パネリスト:

鷹取 文彦 様

Cameron, Andrew様

大田 英揮 様  

三澤 裕 様 一般社団法人日本医療機器テクノロジー協会 アドバイザー 

中山 将行 様 エア・ウォーター株式会社 ヘルス&セーフティーグループ 市場開発部


総括     大塚佑基先生(東北大学病院臨床研究推進センター 開発推進部門)
 

閉会挨拶  鈴木由香先生(東北大学病院臨床研究推進センター 国際部門)

 

本セミナーはコロナ禍の後のリアル(現地)開催として行われたにもかかわらず、医療機器開発企業を中心に50名の参加者を得て、活発な議論もなされました。医療機器開発に対する各方面からの期待を感じる熱気ある催しとなりました。