株式会社電通 事業共創局テクノロジー開発部ゼネラルマネージャー 三邊立彦先生講演会「ヘルスケア領域のサービスにおける対話型アプリの可能性」を開催しました

 1月20日(水)18:00-19:00、今年度第11回目の未来型医療創造卓越大学院プログラム(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門)FM DTS 融合セミナー 株式会社電通 事業共創局テクノロジー開発部ゼネラルマネージャー 三邊立彦先生の講演会をオンラインにて開催致しました。


 今回の講演では、三邊先生のご経験をふまえて、ヘルスケア領域における対話型アプリの実証と課題、今後の可能性についてお話しいただきました。 講演の中で、アプリ開発の背景として、コールセンターでのAIチャットボット開発運用事例をご紹介いただきました。この経験から、ヘルスケア領域や介護領域においても気軽に聞けるチャットボットが有効ではないか、また、チャットボットのアイコンを工夫することで生活上の困りごとをさらに引き出すことができるのではないか、という着想を得られたようです。アプリの紹介を通して、親子の関係調整をするような親しみやすい動物のキャラクターを用いるアイディアや、アイコンのキャラクター設定で利用者との関係性をコントロールして、行動変容に繋がる可能性があることをお話しいただきました。
 今後の計画として、超高齢社会においてよりよく生きるためのリテラシー向上と行動変容の手助けとなるような課題解決メディアについてお話しいただきました。予防・未病・治療・アフターケアの各領域において医師等生活者間のアシスタントとなるために、必要な情報提供サービス、および医療の早期介入が可能なデジタルサービス開発を進められるとのことでした。行動変容に繋がるチャットボットの可能性、リテラシーを上げること、そして新しいテクノロジーとコミュニケーションの変革はセットであるということが大変勉強になりました。
 学生からの質問では、「アプリとの日常会話から事前に疾病を予測し早く介入するにあたり、実際に本人からの危険信号をどのように医療へ繋げていくのか。本人の自覚がない場合にどのように介入するのか。」という質問があり、三邊先生からは「チャットボットとの会話の中で、その場で医師とつなぐという対話の流れを作ることも1つの方法だ。チャットボットですべてが解決できるわけではなく、その後でリアルな人間がしっかり対応できるということが前提となる。情報を提供する側と受け取る側の関係性で情報の信頼のされ方や受け止められ方が変わると思うので、チャットボットにおいてやはりキャラクター設定が重要だ」とお答えいただきました。

 本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、企業の方を含む幅広い領域から学内外237名の方々にご参加頂きました。三邊先生、ご講演ありがとうございました。