Bangkok Hospital 日本人マネージャー・医療コーディネーター則竹 淳先生講演会「東南アジアを中心とした海外の医療事情とホスピタルマネージメント」を開催しました

7月8日(水)18:00-19:00、今年度第4回目の未来型医療創造卓越大学院プログラム(共催:臨床研究推進センターバイオデザイン部門)FM DTS融合セミナー Bangkok Hospital日本人マネージャー・医療コーディネーター則竹  淳先生の講演会をオンラインにて開催致しました。

 

則竹先生は、水上スキー選手として法政大学を卒業するも、けがをきっかけにスポーツ医学を志し先進地アメリカへ渡りました。マサチューセッツ大学、ボストン大学にて医学を学び、卒業後は名古屋大学医学部で博士(医学)を取得され、脳神経学の研究生活を送ったのち、タイに移り2012年よりToyo Business Service株式会社顧問、2013年よりBangkok Hospitalで医療コーディネーター・日本人統括マネージャーとしてご活躍されています。
今回の講演では、スポーツ選手から一転、アメリカへ渡り、現在医療分野でご活躍されているユニークな経験や、東南アジアの医療事情と医療ツーリズムについてのお話し、そして海外の病院経営システムや、Bangkok Hospitalそして新型コロナの影響とポストコロナのビジョンについてわかりやすくお話しいただきました。

 

医療ツーリズムは、渡航先として医療技術が優れ医療費が安いアジア諸国(タイをはじめ、シンガポール、マレーシア)やインド、メキシコなどが有名です。その中でも医療ツーリズム先進国No,1のタイに医療ツーリストが治療に訪れる理由としては、外国人が安心して医療サービスが受けられる高水準の環境が整備されていること、欧米・日本の医療先進国で研修した専門医がいること、最新の医療技術があること、欧米諸国と比べて低コストの治療費であること、そしてタイ式のホスピタリティが受けられることなどが理由としてあげられました。

 

メディカルツーリストは世界レベルの医療を提供するJCI(国際的医療評価機関)認定病院を選択することが多く、メディカルツーリズムの誘致国は、JCIの取得に力を入れており、タイでは68病院が認定をうけています。則竹先生が所属されているバンコク病院グループでは各地域にある病院がJCIを取得しているため外国人患者がタイのどの地域を旅行しても、世界基準の治療を受けることが可能であるとご説明されていました。また、なぜ、中進国タイが新型コロナウイルス対策で成功しているかについてのお話しの中では、強制的な軍主体政権によるロックダウンや、ソーシャルディスタンスが流行したこと、仏教国でハグ・握手をしないことなどをご紹介いただきました。また、精神的なサポートが必要とされる患者数の増加を懸念し、心療内科・精神科医の勤務体制を見直し、臨床心理士の増員を検討したというお話もありました。

 

 

講演後の質疑応答の中で、学生からは「新しい環境で恐怖や不安はなかったか」という質問には、「いつも恐怖や不安はあるが、その土地の方と仲良くなることで払拭される。くよくよしない、考え込まないこと、どんと来いという感じです」という熱いメッセージとともに、「より多くのことを若いうちに目で見て体験してほしい、体で覚えたことは大切にする、興味を持ったことにはどんどんチャレンジすること、自身が色々チャレンジしたうえで行き詰ったときは、世界は広いので戦う場所をいろいろ変えてチャレンジしてみてほしい」という言葉をいただき、則竹先生の誠実なお人柄に触れ、ご講演後にオンラインにも関わらず活発な質疑応答・意見交換が行われました。

 

本講演会は、卓越大学院プログラムに参加する学生の他、学内外から企業の方を含む幅広い研究領域の240名の方々にご参加頂きました。
則竹先生、ご講演ありがとうございました。