帰朝報告:NY フィラデルフィア (5/19-24)

2019年5月19-24日まで、New Yorkとフィラデルフィアでデジタルヘルスを含めたライフサイエンスのイノベーションインフラを勉強してまいりました。
また、JASS(Japanese Association of Scholars in Science)New Yorkでは、橋渡し研究の現状、課題と成果の事業化まで含めたプロセスデザインに関してプレゼンテーションをさせていただきました。JASS NYは、2012年にコロンビ大学化学科中西香爾名誉教授が会の発足に携わられ、ニューヨーク近郊に住む理系研究者を中心として発足した勉強会です。テーマは、医学、薬学、生物学、化学、物理学、工学など、多岐にわたり、これまで50回以上開催されております。今回も東北大学でのベッドサイドソリューションプログラム(アカデミック・サイエンス・ユニットASU)のプレゼンもあわせて質疑応答を通していろいろな発見がありました。
New Yorkは金融、メディア、ファッションなどの多様な産業集積、豊富な人材(近郊の大学生は105万人(SF 28万 BOS 35 DC 29万 LA 97万)で卒業後も留まる学生が多い)を背景にシリコンバレーに次ぐテックハブに成長しております(7000社以上のstart ups、125インキュベーター、200以上のVCやangel investors、20国際アクセラレーターの存在、100以上の主要なテック系カンファレンスなど)。企業との事業構築、全米最大商業都市での事業展開を目的としたスタートアップが多く、多様な産業集積を反映し、- tech (ハイフンテック)の多様なスタートアップが集積しております。エコシステムについては、シリコンバレーで見慣れていた自然発生的で、エグジットやハイテク投資を通じてVC投資に熟知したキーパーソンが豊富にいて、優れたビジョンが重んじられ、資金調達も段階に応じて道が拓ける可能性のあるエコシステムとは様々な点で対比的であると感じました。
とくにブルームバーグ前NY市長の時代にNYC Economic Development Corporation (NYCEDC)が設立され、weworkをはじめとしたイノベーションインフラが計画的に構築され、場所から機会の提供まで充実しておりました(写真)。
5月21日夕方から22日夕方まではフィラデルフィアに伺い、Thomas Jefferson Universityおよびフィラデルフィアのイノベーションエコシステムをみてまいりました。同院は近年差別化を図るべく病院や他学部の統合合併により14施設でJefferson Healthを形成しており、6100名の医師プラクティショナー、7400名の看護師が年間450万名の対応にあたっております。
New York滞在中にはコロンビア大学循環器内科の本間教授、Mt. Sinai小児遺伝科の大石先生とご一緒させていただき、医療からマネジメント、テクノロジーまで多岐にわたりお話を伺いました。また、フィラデルフィアでは、佐藤先生はじめ研究室の先生とご一緒させていただき、フィラデルフィア、とくにThomas Jeffersonのイノベーションに対するとりくみについていろいろお話を伺うことができました(写真)。
New Yorkは1980年代に何回か訪れ、その後は2011年、2017年と伺っており、あわただしさは相変わらずでした(写真)。世界貿易センタービル周辺も工事が終わっておりましたが、2001年の爪痕はずっと消えることがないことも感じました(写真)。近くにAmazon Goがありましたので、キャッシュレス、カードレスで買い物体験もしてきました(写真)。
今回、Cornellに留学中の内田浩喜先生もStart upのエコシステムまわりに同行してくださりました。元気にがんばっていらっしゃいました。貴重な機会をくださったコロンビア大学の矢澤先生、北本先生、向山先生をはじめ、JETRO NYのみなさまには大変お世話になりました(肝心な写真を忘れました)。

文責 中川敦寛

Thomas Jefferson大学        佐藤先生と

 

    

NYらしいあわただしさ

 

   

WTC跡地を久しぶりに訪れて

 

 

Amazon GO

 

 

 

今後weworkになる予定のビル