厚労省の取り組みとして進められている医師や医療従事者の働き方改革では、「年960時間以内」を原則とする時間外労働の上限規制を医師に適用する2024年に向け、業務の効率化が急務とされています。
医師から他職種に業務を移管する「タスクシフト」の推進策などが検討されているほか、ICTやロボットによる業務の効率化も重点課題です。また、医療現場に求められる生産性向上とは、医療の質や安全性を維持しながら、医療サービスの提供効率やコスト効果を高めることであり、この目的は医療費の抑制や医療従事者の働き方改革、患者満足度の向上などにあります。
更に、2040年、その先に向け、人材不足が進んでいる社会情勢の中で、医療現場におけるリスキリングも急速な医療技術や環境の変化に対応し、より高度なケアや効率的な業務遂行を行うために必要とされます。このような状況にあって、従来の医療機器事業を推進する企業に加え、ICT企業などの異業種から新たに参入し、医療・ヘルスケア分野で事業を拡大するチャンスも増えています。
本シンポジウムではこのような背景のもと、実績のある医療機器事業者に加え、医療・ヘルスケア分野に新たに参入する企業、また新規事業を試みるスタートアップ企業の方々に向け、医療現場にとって真に有効なソリューションを開発するために、医療現場のニーズからどのようにイノベーションに繋げていくかのヒントを得ていただけるよう、全体デザインの視点も加えながら必要なスキルとピットフォールの回避について、以下の講演とパネルディスカッションを予定しています。